大人ロックへの道

熟年DTMerが綴る音楽創作の記録。それDEMO ロックしか。

たぶんこの目で見ることのない世界。近未来をテーマにDTMで曲を作る。

ヒガ*キラです。ロックミュージックのかっこよさを体現するために自宅で音楽制作を行っています。久しぶりの投稿です。

一昨年、還暦を迎えました。還暦を過ぎてもオリジナル曲の制作を続けることは、自分の中では必ず達成したい目標のひとつ。前回の制作は、録音時点で59歳。まだまだ。そこで今年、目標達成しようという気持ちも後押しして、新たな楽曲制作を行うことに。

音楽を作るのに年齢を基準に考えることもないはずですが、実際には、加齢とともに健康問題とか老後の生活とかいろいろ気にすべきことが増えてきて、音楽活動のような付加価値的な要素は後回しになりがちです。制作が終わるたびに忘れるDAWのおさらいも億劫だし。しかし、そこを乗り越えて音楽をやる。通院しながらもやる。生きる意義、というと大袈裟ですが、そんな気概で活動しています。

2023年8月、たった1曲ですが、還暦過ぎてからのオリジナル曲が完成し、YouTubeにも無事アップしました。今回はその作品の紹介です。

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『未来は・・』


おそらく自分の目で見ることはない数十年先の近未来はどんな感じなのだろう。そんな単純な気持ちが曲のテーマになりました。人間の住居は高く空へと向かい、海原を見下ろす生活も。仮想空間に身を投じ、居心地の良さから抜け出せない人たち。
パートナーまでも仮想か!?  一方、現実世界では相も変わらず覇権をめぐるせめぎ合い。遠隔操作の兵力同士がぶつかる戦闘が日常的に。個と社会との温度差。どこか白んだ世の中がイメージされます

振り返ると、科学技術の進歩とともに人々の暮らしが向上した1970年代。あるいはその前後の時代。ロックミュージックの黄金期とも重なる、熱い時代だったと言えます。それがいい時代と評価するかは別の話ですが、もし白んだイメージのまま未来に突き進むとしたら、一抹の寂しさ、不安を覚えます。未来に生きる人たちが何を思い、どんなアクションをとるのか。白みかけた世の中をカラフルに変えていくのか。さぁどうする?



曲は、ざっくり2つの要素で構成されています。1970年代のロック黄金期を彷彿とさせるハードロックのパート、近未来的なエレクトリックビートのパート。70年代と近未来とをワープで行き来するようなイメージです。

70年代ロックを基調とするには、やはりかっこいいギターサウンドが必須です。自分自身のギターの力量ではそれが難しいため、前作同様、昔のバンド仲間Ysk Imt君に今回も参加してもらいました。

まず、ご参考まで、当方が最初に用意したデモのデモ、仮の音源がこちらです。



ギターがショボいのは、シンプルな打ち込みと自らの仮弾きのせいですが、ここからスタートして、ギタリスト側で録音したファイルをやり取りし、ギタリストのアイディアも取り入れながら、ミックスしていった結果、(自分で言うのも何ですが)最初のデモから格段に魅力的な楽曲になりました。完成作品が以下のYouTubeです。よろしければお聴きください。

サウンドノート◇ イントロのギターリフは当方が指定したものですが、そこを広げて、ギタリスト側からハードロック風、プログレ風のリフのアイディアがいくつか出て、どれも面白いのでハメ込んでいきました。展開後に入るギターソロも、必然的にというべきか、イメージどおりのロック黄金期風(!)になっています。


ヒガ*キラ|未来は・・

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以上、近未来をテーマとした最新の楽曲制作
の紹介でした。

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前回の投稿の後、情報発信の場をインスタグラムに移行しましたが、ブログもまたやろうと戻ってきました。読んでいただいた方に感謝を申し上げます。更新頻度はかなり低いですが、今後ともよろしくお願い申し上げます。

◆オリジナル楽曲の試聴 → ヒガ*キラ 音楽チャンネル それDEMOロックしか - YouTube

◆インスタグラム @kira_rocksica

 

DTMで曲を作り、YouTubeはじめました。その3

ヒガ*キラです。ロックミュージックのかっこよさを体現するために自宅で音楽制作を行っています。

年齢的には、熟年期というより高齢期に片足突っ込んでいます。およそ四半世紀ぶりに自宅で作ったオリジナル楽曲の制作を記事にしています。

その1では、カセットテープからDTMへと変容した録音ツールの話や制作プロセスの話をし、その2では、YouTubeチャンネルにアップしたオリジナル楽曲を紹介しました。今回その3は、アップしたオリジナル楽曲紹介の続編です。

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4.『いつか歌うたってあげるって』


青春チックなラブソングは柄に合わないため、過去の淡い気持ちをほじくり出すこともせず、架空の小説を思い浮かべ、映像化したときのテーマ曲を歌う、という設定で作りました。

今回制作した6曲の中ではいちばん短く、シンプルで分かりやすい構成となったと思っています。

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ミュージックビデオには印象的な女性のイラストを使いたいと考え、外部のクリエイターにイラスト制作を依頼しました。Aメロとサビ前のつなぎはインパクトの強い映像になったと思っています。

サウンドノート◇ ドアーズが好きで、いつかドアーズ風の音を入れたいと思っていて、曲中にそれがハマりました。ちなみに間奏はデヴィッドボウイ風のアレンジを施しました。

ヒガ*キラ|いつか歌うたってあげるって

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5.『パンタロン
パンタロンという単語も聞かなくなりましたが、ここはベルボトムではなく、パンタロンと言うのが似合う、ノルタルジックな思いを込めた曲です。

少年時代を過ごした1970年代の思い出。劇団木馬座、藤城清治画伯のこびとの影絵、ピンキーとキラーズ主演のTVドラマ、フィンガー5が出ていた歌謡ショー。当時流行ったベルボトムジーンズを身につけたときの、少し大人になったような気分。

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曲調は、1967年あたりのビートルズ風、ちょっとサイケなアレンジになりました。

サウンドノート◇ 昔のバンド仲間I君のアルペジオギターが曲に光沢を与えてくれました。コード弾き箇所のディストーションの掛かり具合もいい感じです。

ヒガ*キラ|パンタロン【MV】 - YouTube

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6.『La Vita

高齢期に片足を突っ込み、まだおぼろげではあるけれど、死生観のようなものを曲のテーマにしたいと考えました。その結果、ラ・ヴィータ(人生、生命)という、シンプルですが、大きなタイトルになりました。

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過去、今、未来への思いが時空の中でウネウネと交差するようなイメージです。自作の曲としては長尺の6分超え。プログレとまではいきませんが、テーマが大きいので、少し大作志向に。

サウンドノート◇ 曲は大きく3つのパートに分かれますが、第3パートは聴けば分かるキングクリムゾン風のプログレ的な展開です。本家に比べてだいぶあっさり味(?!)ですが。

ヒガ*キラ|La Vita【MV】 - YouTube

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以上、その2からその3にわたり『Magic Days』と名付けたミニアルバムのオリジナル楽曲6曲を紹介しました。

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今後は情報発信の場所をインスタグラム @kira_rocksica に移行するため、ブログはここで休止致します。読んでいただいた方に感謝を申し上げます。

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DTMで曲を作り、YouTubeはじめました。その2

ヒガ*キラです。ロックミュージックのかっこよさを体現するために自宅で音楽制作を行っています。

年齢的には熟年期というのか、高齢期にだいぶ近づいています。およそ四半世紀ぶりに自宅で作ったオリジナル楽曲の制作を記事にしています。

前回その1では、カセットテープからDTMへと変容した録音ツールの話、制作プロセスの話を書きました。今回は、YouTubeチャンネルにアップした楽曲を紹介していきます。

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1.『失敗人生(なんかじゃない)』


あまり曲にメッセージを込めないほうですが、『失敗人生(なんかじゃない)』の詞は、自分と同世代、塾年
期から高齢期に差し掛かろうという人たちをイメージして、ポジティブなメッセージを入れました。

今の年齢で曲を作る意味は何か。生きてきた中で思うことを表現することではないか。普遍的なメッセージとして書いたつもりですが、やはり自分の思いが投影されていることで、今回作った楽曲の中でも、少し特別感のある一曲となっています。

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MVは、頭でイメージしたビジュアルをそのまま再現するため、外部クリエイターにイラストを依頼し、オリジナル映像作品として制作しました。

サウンドノート◇ 最初は、以前テレビドラマのエンディングで聴いたトム・ウェイツのような重く渋いボーカルが頭の中で鳴りましたが、自分には無理なので、ポップ期のイーノのようなダブルトラックで素直に歌い、穏やかな曲調にしました。

ヒガ*キラ/失敗人生(なんかじゃない)

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2.『真夏の太陽』

学生時代はバンドを組み、ポストパンク、ニューウェーブ系のオリジナル曲をやっていました。自分の音楽創作の原点は、ウルトラヴォックス、エコー&ザ・バニーメン、XTC・・等々、その時代の音であり、『真夏の太陽』は原点回帰を意識して作った曲です。

曲のイメージは、夏の海岸に太陽が照りつけ、まぶしく光る海を遠くから見ている。気だるくて、何ともやるせない心持ち。

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最終的に曲が完成すると、ニューウェーブ感がマイルドになり、どこか懐かしい、昭和エモい感じに仕上がりました。

サウンドノート◇ 一度ミックスした段階で音数が少し足りないと感じたため、慣れないアコギで音を足しました。

ヒガ*キラ|真夏の太陽【MV】 - YouTube

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3.『T.ROX Stardust』

曲名から想像がつくとおり、T.レックスロキシー・ミュージックデヴィッド・ボウイ・・70年代黄金期のロックサウンドを散りばめた曲です。

10代のころにレコードを聴きあさった70年代ロックへの敬愛の念を、1曲に込めて表現する。それが『T.ROX Stardust』のコンセプトです。

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T.レックスといえばブギーという印象ですが、この曲は、ノリ重視のリズムにして、そこにマーク・ボラン風の歌唱を乗せる(だいぶ違う?!)。曲の中盤はベルリン時代のデヴィッド・ボウイ、曲の後半はブライアン・フェリーをイメージして歌いました。

サウンドノート◇ ゲスト参加の友人I君のギターが、”70年代レスペクト”をイメージどおりに体現してくれました。

 ヒガ*キラ|T.ROX Stardust【MV】 - YouTube

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今回は以上です。オリジナル楽曲3曲の紹介でした。

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次回、YouTubeチャンネルにアップした残りの楽曲を紹介します。

◆オリジナル楽曲の試聴 → ヒガ*キラ 音楽チャンネル それDEMOロックしか - YouTube  

DTMで曲を作り、YouTubeはじめました。その1

ヒガ*キラです。ロックミュージックのかっこよさを体現するために自宅で音楽創作を行っています。 

昭和の高度経済成長期生まれ。年齢的には熟年期というのか、高齢期にだいぶ近づいています。

音楽創作をはじめたのは大学生のとき。加入していたバンドのオリジナル楽曲を書くリーダーM君の影響で、自分でも曲を作るようになり、宅録で作品化していくことで、まるでアーティストになったような気分を楽しみました。

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大学卒業後は、サラリーマンとして会社勤めがメインに。音楽創作のほうはブランクがだんだん長くなり、前作はおよそ四半世紀前までさかのぼることになります。

ふと最近、年齢を重ねて、自分が何をしてきた人間か、ということを後に人からどう語られるだろうか、と考えるようになり、それがふたたび音楽創作に向かうきっかけとなりました。サラリーマンだった人ではなく、音楽をやっていた人でありたい、という思いです。

ここでは約四半世紀ぶりに自宅で作ったオリジナル楽曲の制作プロセスを記事にします。


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録音ツールの壁

前作の録音は、まだカセットテープの時代でした。4トラックのMTR ー マルチトラックレコーダー。

たいがいの場合トラック4つでは収まらないため、一度録音したトラックにオーバーダビングで音を重ねて1トラックにまとめる、いわゆるピンポンをし
ながら曲を完成させていく。そんな時代でした。

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あれから四半世紀近くが経ち、時代はDTMに。一から覚える手間を思うと、心が折れそうになりますが、自宅で音楽をやるには、このツールの進化は、越えなくてはならない壁です。

ただ、待てよ。一方で思ったのは、もうピンポン録音やテープ早送り・巻き戻しの手間が要らないということ。そう考えると、デジタル録音の便利さへの期待が膨らんできました。

まず今回の制作に向けては、Mac Bookを音楽専用に購入。Daw ー 音楽編集ソフトLogic Proをインストール。

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Dawの使い方は、最初、スクールに通って覚えようとしましたが、YouTubeで公開されている使い方動画が分かりやすく、それを見て基本的な操作を習得しました。

もっともどうにか曲を仕上げられるレベルになっただけで、上級テクニックは使えていないのでしょう。けれども、
デモ音源ならそこまでのスキルで十分と考えています

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DTMでの楽曲制作

今回制作する楽曲は6曲。メロディー、コード進行、だいたいのアレンジは頭の中と紙の上でできていて、これらをDTMでアウトプットする作業となります。目指すサウンドは、いかにも打ち込み感の強い電子ビートではなく、バンドをバックに自分自身で歌う、正統派のロックサウンド

歌入れは最後に行うため、まず楽器パートのトラックを作ります。基本はソフト音源を使った打ち込みですが、打ち込みではなかなか感じが出せない部分、例えばギターは、オーディオインターフェイス経由で録音。

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テクニック的に自分で弾けないところは、昔のバンド仲間I君にギター参加を依頼。このときコロナ禍ステイホームの時期で、録音は、会わずにWAV音声ファイルのやりとりで行いました。イメージさえ共有できれば、想像以上にスムーズです。デジタル時代の便利さを実感します。 

楽器パートが完成すると、あとは歌入れ。歌詞はたいていあとから書きます。頭にある言葉の断片をつむいで詞に仕上げます。

歌入れは、メインボーカルとコーラスをそれぞれ録ります。OKを出すのは自分自身ですが、ほとんど一発OKにならず、何度か歌います。あとで聴いてハーモニー効果が面白ければ、テイク1とテイク2を両方とも使います。

 

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そして、YouTubeはじめました

使い方動画で学んだとおりにLogic Proで各パートをミックスし、音圧などを調整してマスタリングが完了。あとは音楽ファイルに出力するだけ。昔ならカセットテープに落とす、もう少し後の時代ならCDに焼く、これが発表の形でした。

今回、発表をどうするかと考えたとき、やはり今どきはWEBでしょということで、YouTubeチャンネルを開設し、楽曲を順次アップしていくことに。

YouTubeでは、静止したイメージ画像に音源を乗せる、つまり音だけ聴かせる手法もありますが、せっかくの動画配信プラットフォームなので、MVも合わせて制作することにしました。

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フリー動画素材を見つける、イラストレーターを探してイメージ画を依頼する、自らもイラストを書く。それらの素材をつないで一本の映像作品にしていきます。

Mac Book Pro標準装備のiMovieは、なかなか使える動画編集ソフトです。そこそこ時間は掛かりましたが、初心者なりに雰囲気のあるMVが仕上がったと思っています。

次回その2では、それぞれの楽曲を紹介していきます。

◆オリジナル楽曲の試聴 → ヒガ*キラ 音楽チャンネル それDEMOロックしか - YouTube